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【勉強会・ピッチ会開催報告】ローカル局の現在地と”目のつけどころ”

【勉強会・ピッチ会開催報告】ローカル局の現在地と”目のつけどころ”

ハッシン会議では、各方面のメディアの方をお招きし、メディアの今を伺うとともに、ピッチを通してPRコミュニティー会員に対し取材いただくきっかけ作りをしています。

今回は、2023年10月11日(水)に、テレビ信州「ゆうがたGet!」プロデューサー松澤亮さんにお越しいただき、ローカルニュースの傾向と目のつけどころについて、勉強会とピッチ会を開催しました。

「長野県のローカル局がどのようなことを考えて番組を制作しているか」「テレビ以外でどのように活路を見出そうとしているのか」といったプロデューサーの着眼点について、お話いただいた内容をピックアップしてレポートします。

第一部:勉強会

ゲスト:松澤 亮さん

  • 2023年4月から、テレビ信州情報番組「ゆうがたGet!」プロデューサー
  • ケーブルテレビ局勤務を経て長野県のテレビ信州(日本テレビ系列)へ。

記者・デスクとして日々のニュースに向き合う傍ら、ドキュメンタリー番組を制作。

  • 「ギャラクシー賞奨励賞」など、数々の受賞歴あり

テレビ信州「ゆうがたGet!」について

テレビ信州は日本テレビ系列の長野県のローカル局です。

ゆうがたGet!はテレビ信州の夕方ワイド番組で、25年に渡って長野県民に愛されています。「夕方ワイド番組」とは、夕方時間帯に放送されるエリアの話題を取り上げる情報番組です。

特に地方局では夕方ワイド番組を多くの局が放送しています。ゆうがたGet!の放送を開始した1999年頃から全国で流行り始めてきました。

では、ゆうがたGet!の特徴はどこにあるのでしょうか?

一つ目は、時事問題や緊急ニュースも積極的に扱っていることです。緊急性が高い場合には多くの時間を割いて、番組内容を変更して報道しています。

二つ目は、とにかく“視聴者に近い”ことです。具体的には、生放送中に視聴者に番組出演してもらう参加型の番組という点です。ローカル局ならではの距離感で番組を制作しています。

さらに、自社のスマートフォンアプリもあります。情報発信ツールとしてニュースや緊急情報の発信や、スマホから番組への意見投稿など視聴者とのコミュニケーションツールにもなっています。

国民のテレビ離れ

令和3年(2021年)を境にテレビ離れが顕著になっているのではないかと松澤さんは感じています。

実際、コロナ禍1年目の令和2年には先行きの見えない世の中でニュースへの関心も高まりテレビ視聴時間が一時的に増加したものの、コロナ禍2年目の令和3年にはテレビ視聴時間が減少する一方で、ネット利用時間が大幅に増加しました。(令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書≪総務省≫)

その傾向は現在も続いており、ここから全世代の国民のテレビ離れが起きているという現状が見て取れます。

ローカルメディアの傾向と注力していること

そういった厳しい状況の中で、今テレビ業界が注力していることについてお話いただきました。

今までのテレビで重要視されていたのは視聴率で、視聴率がよければ売上が伸びるという構造でした。また、ローカル局はいかに全国ネットでその県の話題を取り上げてもらえるかというところに着目していました。

しかし、今は視聴率アップや全国ネットでの露出度アップに加え、動画配信やニュース配信など、現代のニーズに合わせた取り組みもしています。

動画配信は、再生回数が増えれば広告収入に繋がる媒体もありますし、Youtube・TVer・Huluといった動画配信サイトで動画を見てくれた視聴者が地上波も見てくれるようになるといった波及効果も期待できます。

さらに、動画だけではなく文字での配信にも力を入れています。

例えば、Yahoo!・LINE・スマートニュースなどのニュースサイトにもニュースを配信するようになりました。特にネットニュースは、ユーザーにいかに早く情報を届けられるかが大事とされています。そこで、近年では報道機関としてネット内での立場を確立するため、テレビ局もテレビで放送する前にネットでニュースを流すようになりました。

ネットニュースにおいては、PV数といってどれだけの人がニュースを見たのかという指標を重視しています。掲載したニュースがネットで支持されるということは、報道機関としての信頼獲得にも繋がっていると考えられています。

これらの取り組みを通じて、各局はテレビ離れは防げなくても、テレビ「局」離れをなんとか防ごうと奮闘しています。

テレビ信州が地方局として全国ニュースに埋もれないよう意識していることは二つあるそうです。

一つは、全国に誇れるもので勝負することです。例えば、東京にはない景色や地方ならではの目線で情報を発信することです。

もう一つは、登山・鉄道・グルメ・ゲーム・・・など、ニッチでもいいので支持を得られる話題を提供することです。

目のつけどころ~プレスリリース⇒ニュース企画例

情報を得た際にプロデューサーとしてどういった点に着目し、ニュースを企画化しているかについても教えていただきました。

プレスリリースからニュース化した事例として【長野県の山三酒造が廃業危機を迎えた。しかし、若手経営者が事業を承継し、新たな杜氏を招いて酒造りに挑戦した】というトピックがあります。その時の社会情勢(人口減やコロナ禍での倒産・廃業増)や今後の取材可能性(新酒発売はこれから)などを考慮し、これは特集・企画になると判断し、ニュース企画化したそうです。

この事例でわかることは、情報を入手した時の地方メディアの目のつけどころです。

一つ目はそれが唯一のニュースや番組になるかです。マスコミは特に「独自」「全国初」といったワードに弱いためです。

二つ目にテレビというメディアは結果よりも過程を重視することです。例えば、「〇〇大会で一位になりました」というニュースがある時に、その過程を撮影できるかが取材を決めるポイントになります。これは、過程を見せることで視聴者の共感が広がり、特別感に繋がるためです。

さらに、唯一の企画・ニュースにするためには、いくつかのテーマを掛け算することもあります。

参加者との質疑応答

参加者からは主に以下のような感想をいただきました。

● ニュースがテレビで放送されるよりも前にネットに上がっていることがある。ネットに先に上げるというのが斬新で勉強になった。

● 2019年くらいまではネットニュースにはローカル局のコンテンツはほぼ配信されていなかったが、今はローカル局のニュースも上がるようになった。

質疑応答からも、情報発信におけるネットの位置づけが変わってきていることを感じられました。今後はテレビ局や新聞社など、どのメディアにもネット上での速報性が求められ、ネットが主戦場になっていくのかもしれません。

第二部:ピッチ会

第二部では、企業の広報担当者または代表者によるピッチが行われました。計4名の方からのプレゼンテーションに対し、松澤さんからそれぞれにフィードバックをいただきました。

前半の勉強会も踏まえて、各事業を取材するとしたらどのようにニュースとして取り上げられそうかという視点での松澤さんのコメントから、ニュースになるポイントを改めて学ぶことができました。

いずれの事業も、長野以外の地方を中心とした活動ではありますが、取り上げ方によっては長野県のニュースとして長野県と関連付けて報じることができるというのも勉強になりました。

(執筆:高橋 早美)

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