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【勉強会開催報告】ひとりから始める“攻め”の広報事例紹介-前編‐

【勉強会開催報告】ひとりから始める“攻め”の広報事例紹介-前編‐

〜地元メディアを通して全国そして世界へ魅力発信〜

ハッシン会議では、広報PRの勉強会を定期的に開催しています。

今回は特別ゲストに、鹿児島県いちき串木野市に本社を置く酒造メーカー、濵田酒造株式会社コミュニケーション部で広報を担当している川野修郎(かわのしゅうろう)さんをお迎えしました。
以下は、お話いただいた内容から抜粋および、一部情報を補足して「前編」「後編」に分け、ロングバージョンでご紹介します。

スーツを着た男性  自動的に生成された説明

【プロフィール】
鹿児島県出身。関西大学仏文学科卒業後、広告業界にて営業や制作業務に従事後、日本語以外のビジネスコミュニケーションスキルを磨くために北米へ渡る。日英バイリンガル情報誌(カナダ)や日系新聞社(アメリカ)の編集および営業を経験。帰国後は、大手ゲーム会社の企業広報等を経て、2017年にUターン。濵田酒造株式会社マーケティング部に入り、メディアリレーションを中心に広報体制の基盤作りに貢献。「攻めの広報」を積極的に実践し、自社の認知度拡大だけではなく、焼酎自体の魅力を世界中へ広めることを目標に、様々なコミュニケーション施策を展開中。

はじめに

ここからは、講師を務めさせていただいた私、川野が勉強会当日にお話したことに補足・追加する形でまとめてみました。「前編」と「後編」の2回に分けて配信いたします。「前編」では、「異業種コラボレーション」を活用した広報発信事例をご紹介し、「後編」では、地方メディアとのリレーション構築を通じて、全国そして世界へ広報発信できた事例になります。後編の最後には、私が“攻め”の広報で普段意識していることを箇条書きに記載しています。皆様の広報活動に“攻め”のエッセンスを加える一助になれば幸いです。

“攻め”の広報活動の実践事例

攻めの広報:異業種コラボレーションによるブランディング活動

広報活動内容

カルビー株式会社の「おさけあわせのたび」とのコラボレーションの第一弾として、濵田酒造×カルビー「おさけあわせのたび‐ベストペアリングセット‐」を、蔵元直営オンラインショップ「Shochu.Life」にて数量限定で販売しました。広報活動の内容としては、まず地元メディアや酒類・食品業界メディア数社に提案し、記事に取り上げていただきました。地方は、一般的に全国紙よりも地方紙の方の発行部数が多く、地域に訴求するために欠かせない媒体です。Yahooニュースなどのサイトに配信する場合もあります。

また、企業の取り組みとしてだけではなく、コラボ商品の魅力を消費者に伝えるための試食レポ記事も焼酎メディアを通して発信することができました。さらには両社のTwitterでキャンペーンなどの投稿を行い、ツイートやリツイートを繰り返すことで、お互いのフォロワー同士が繋がる場所を生み出し、新たな顧客層開拓の可能性を高めます。つまり、「異業種のコラボレーション」は、商品を売る以上に、企業価値を向上させるコーポレートブランディングとしての広報発信であるともいえます。この取り組みは、Yahoo!ニュースに3件掲載されました。

<本格焼酎×ゲーム>

プレスリリースタイトル
発売35周年を迎える歴史シミュレーションゲーム「三國志」とのコラボ
薩州浜田屋伝兵衛 本格芋焼酎「薩州 三國志」、2020年4月発売!
~互いに育み続けた世界観の融合により、三国志の魅力のさらなる浸透を図る~

リリース内容詳細はこちら

濵田酒造グループの薩州濵田屋ブランドの認知度を高めるためのコラボレーションです。既に市場に流通している本格焼酎「薩州 赤兎馬」「薩州 呂布」は、三国志に登場する名馬や名将の名を冠しています。さらに三国志の史実やゲームが好きな人達に焼酎蔵自体をもっと多くの人たちに知っていただくために誕生したのが、三国志の魅力を長年伝え続けているコーエーテクモゲームスの名作歴史シミュレーション「三國志」シリーズ35周年とのコラボ焼酎「薩州 三國志 ‐三國志35th ver.‐」です。

三国志の英雄である呂布や関羽が騎乗した名馬として知られる「赤兎馬」をモチーフにしたボトルに、ワイン酵母仕込みの本格芋焼酎を発売することを広報発信しました。発表のタイミングは、注目の集まる最新作『三國志14』の完成発表会。その中に盛り込んでいただくことで、多くのゲームメディアに取り上げられました。

「互いに育み続けた世界観の融合により三国志の魅力をさらに広めたい」という両社の想いを込めたこの業界の垣根を越えたコラボレーションは、業界メディアだけではなく、全国紙や通信社にも取材いただき、全国の三国志ファンにお届けすることができた広報活動ができました。

プレスリリースタイトル
人気シミュレーションゲーム「三國志」シリーズとのコラボ第二弾
薩州浜田屋伝兵衛の本格焼酎が『三國志14』の作中に登場!
~実在銘柄と消費者との新たな接点を創出し、ブランド認知度の拡大を図る~
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ひとつの情報素材を様々な形にして発信することも、広報に携わる人間の大切な役目です。前述のコラボレーションを商品発売で終わらせない、三国志ファンに響くさらなるコミュニケーション施策として考えたのが、「ゲーム内に実在の焼酎を登場させる」ことでした。企画している時期がちょうどコロナが国内に広まりつつあり、お酒のリアルイベントが立て続けに中止になり、業界問わず「オンライン×〇〇」の模索する中での、ゲームIPを活用したブランディング活動でした。

具体的には、薩州濵田屋の本格焼酎「薩州 赤兎馬」「薩州 呂布」「薩州 三國志」の3銘柄を『三國志14』のゲームアイテムとして無料配信するというものです。実際の商品画像とお酒の特長をアイテム説明欄に記載し、使用した時の効果にも関連性を持たせました。上記画像の「薩州 三國志」アイテムは、「三国志」の名が入っていますので、「糖質ゼロ」という健康を意識される方が飲まれるお酒としても知られる本格焼酎の特長と、「ゲームを長く楽しんで欲しい」という想いを込め、「武将の寿命が延びる」という効果になりました。

この企画の経緯や詳細を「コロナ禍におけるバーチャル空間上でのマーケティング施策」としてメディアに提案したところ、「消費者と商品ブランドの新たな接点の創出を狙う取り組み」として、日経クロストレンドに取り上げていただくことができました。このゲーム内アイテムは、PlayStation Storeなどのオンラインショップで『三國志14』ユーザーが無料ダウンロードできるもので、日本語だけではなく、韓国語・繁体語・簡体語版でも配信され、アジア圏におけるブランディングに寄与しました。このコラボ商品とゲーム内アイテムコラボでの2つの取り組みの総メディア露出件数は、200件を越えました。

プレスリリースタイトル
三国志ブランドを保有する老舗焼酎蔵とゲームメーカーのタッグ再び!
本格芋焼酎「薩州 三國志~絶影~」12月1日(水)新発売!
~ゲーム内アイテムコラボやプレゼントキャンペーンも実施決定!~
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コラボレーションは、継続して行うことで、さらなるブランディングを推し進めることができます。前述の歴史シミュレーションゲーム「三國志」シリーズに続き、2021年は、人気アクションゲーム「真・三國無双」シリーズ作品に登場する曹操の名馬「絶影」とのコラボ焼酎を発売しました。広報発信タイミングは、アジア最大級のゲーム博覧会「東京ゲームショウ」に照準を合わせ、念入りに発信情報を準備しました。

「東京ゲームショウオンライン2021」内で紹介された番組のLIVE視聴回数は、10万人を越え、注目を浴びた本格芋焼酎「薩州 三國志~絶影~」への事前予約が殺到しました。前回の『三國志14』コラボと異なるコミュニケーション活動として、Twitterを絡めることで、「継続的な話題喚起」を図ったことが挙げられます。発表から1週間限定でプレゼントキャンペーンを行うことで、発表後の温度感を保つようにし、その間にフォロワーが約450人増えました。また、事前予約された方の中から抽選でオリジナルの焼酎タンブラー(絶影の刻印入り)が当たるキャンペーンに加え、発売前には、馬ボトルの360度動画やゲーム内の「動く絶影」動画などを投稿することで、この商品の持つ世界観への没入度を高め、「戦場を駆け抜ける絶影」をイメージしていただく工夫をしました。さらに、アプリ『真・三國無双』のゲーム内コラボアイテムを発売日から2週間無料配信することで、発売直後の話題作りも行いました。

広報活動としては、発売日前後に盛り上がりをつくるために事前にオンラインを活用してメディアキャラバンを実施。メディア露出としては、YahooJapanニュースやSmartNewsなどのニュースサイトに配信をしている地元ウェブメディアゲームメディアなどを重点的に提案し、記事に取り上げていただくことができました。そして、発売日当日にオンラインショップでの先行販売分が完売するという非常に嬉しい結果に繋げることができました(引き続き、全国の一部酒販店にて販売中ですのでご希望の方はお問合せください)。

注目される最大のタイミングで発表し、両社の広報活動によるメディア露出やSNSを活用した投稿やTキャンペーン実施により、発売日までの継続的な話題喚起を図ることで、大きな相乗効果に繋がった事例です。

<自治体とのコラボレーション

(プレスリリースタイトル)
ゲーム業界初!地方自治体と包括協定締結で「地方創生」を推進!
~ 開府500年に向けて動き出す甲府市と
今年10周年を迎える「戦国BASARA」が連携 ~
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(プレスリリースタイトル)
大河ドラマ「真田丸」・戦国わかやま誘客キャンペーンに
「戦国BASARA」のキャラクター起用が決定!
~ 戦国ブームの火付け役が、和歌山県下で真田ゆかりの地の地方創生に貢献 ~
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静岡県浜松市と「戦国BASARA」のコラボレーションが決定!
~ ゲームに登場する人気武将「井伊直虎」および「徳川家康」が浜松市の地方創生に貢献 ~
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広報担当者がリレーションを構築するのは、メディアだけではありません。エンタテイメントの訴求力を活用しようとする自治体が増えてきています。「自治体」も協力して情報を発信する心強いパートナーになります。スライド左は、前職の広報時代に、2019年に開府500年を迎える甲府市と数年に渡り取り組んだ事例です。武田信玄という地元の英雄とゲームキャラクターの訴求力を活用して観光の活性化を図り、県外からの集客を図るために、ゲームキャラクターの魅力を活用した観光施策を実施したいとのご提案をいただき、その情報の最大化を図るために、甲府市のPRご担当者と連携し、甲府市役所内で記者会見を開き、ゲーム業界初の包括連携協定として甲府市内で締結の記者会見を行い、地元メディアやゲームメディアを通して全国に発信されました。

同様の形で自治体の取り組みを盛り上げる企画として、スライド右上が和歌山県との取り組みで、NHK大河ドラマ「真田丸」とゲームの真田幸村、右下も同じく大河ドラマ「おんな城主直虎」の放送期間中に地元を盛り上げたい静岡県浜松市とのコラボになります。この自治体とのコラボについては、ご提案をいただいたり、こちらから具体案を提案したりとケースバイケースなのですが、共通していたこととしては、自治体側にゲームが好きな熱量の高い人がいて、その方々とアイデア交換を繰り返すことで、お互いにWINWINになる情報発信ができたという点にあります。

企画は、互いの熱量と想いが共鳴すると高い相乗効果を生み出します、自治体とコラボしたい場合は、先方の担当者の中にいる自社の商品やサービスを利用したことのある人を見つけて、スピーディに話を進める基盤を作るということが成功のコツのひとつといえます。

<焼酎×自治体×航空会社>

(プレスリリースタイトル)
鹿児島県いちき串木野市×ソラシドエア連携事業
『ジャパニーズ・クラフトジン 樹々(JUJU)スパークリング』を
機内で限定販売!
~空の上で本格米焼酎と厳選ボタニカルが生んだスパークリングで
優雅なひと時を体験できる~
リリース詳細はこちら

商品の販路拡大に寄与した広報発信の事例です。九州発の航空会社との協業なのですが、民間会社同士の取り組みにニュース性を加えました。いちき串木野市とソラシドエアが観光振興に関する連携を結んでいることから、「包括連携協定の一環」として広報発信し、一般紙や業界記事に取り上げていただきました。企業同士のコラボレーションは、「官」の取り組みと紐づけることで、情報の幅が広がります。

以上が、異業種コラボレーションについての事例のご紹介でした。「前編」の最後に、私がなぜ、異業種のコラボレーションを積極的に推進していきたいかという理由をお話したいと思います。

私たちが住んでいる日本は、「少子高齢化人口減」が進行中で、企業が持続的に成長していくためには、国内市場で他社商品やサービスを利用されている方に自社の方を向いていただくか、海外に新規顧客を見つけていくことが重要になってきます。その国内市場において自社のブランディングにより、少しでもファンになってくれそうな人達に自社商品やサービスを知っていただくための、業界の垣根を越えたブランドが融合したコミュニケーション施策を、「ブランド・コラボレーション」と呼んでいます。

「後編」では、地方メディアから全国へ、さらには海外へ発信した広報活動の事例と“攻め”の広報で日頃意識していることに触れます。

【後編はこちら】

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