ハッシン会議代表・井上の初著書
「ひとり広報の教科書」発売中!

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【イベントレポート】「広報PRのキャリアを考える」キャリア × PR 対談企画 ビーコミ 加藤恭子 x ハッシン会議 井上千絵 書籍刊行記念イベント
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【イベントレポート】「広報PRのキャリアを考える」キャリア × PR 対談企画 ビーコミ 加藤恭子 x ハッシン会議 井上千絵 書籍刊行記念イベント

15年以上にわたり企業広報の現場を見てきた株式会社ビーコミの加藤恭子さんと、株式会社ハッシン会議代表の井上の書籍出版を記念した対談イベントを行いました。それぞれの知見をもとに、質問やお悩みに答えながら、あらゆる可能性がある広報PRのキャリアについてお話しいただきました、事業広報、スタートアップ企業広報、ひとり広報、初心者広報、PR会社やフリーでのPR活動など、どの広報分野のPRパーソンでも聞き応えのあるイベントとなりました。

本レポートでは

◇書籍について
加藤恭子著「話題にしてもらう技術」(2022年11月4日発売)、井上千絵著「ひとり広報の教科書」(2022年11月25日発売)の紹介
◇メディア出身者としての強み
◇メディア人脈の広げ方
◇広報分野の特徴とキャリアプランについて
◇広報としての「強み」の見つけ方 

を中心にレポートしていきます!

加藤恭子さん

◇書籍紹介

加藤恭子著「話題にしてもらう技術」(Amazon:http://amzn.to/3es0mQg

本書について井上は『広報初心者だけではなく、広報経験者に特に読んで欲しい一冊』とし、中でもプレスリリースの書き方、メディア取材対応、外部委託など一通りのことにチャレンジしたが、なかなか効果が出ない時に、新しい『視点』を与えてくれると紹介していました。

特にPR会社との向き合い方が詳しく書かれている点について絶賛しており、

これについて加藤さんも、「PR会社との向き合い方、選び方についてはあまり書籍化されてこなかった部分だと感じています。出版後、複数のPR会社から共感いただきました」とお話されていました。また、「取材の受け方」についてもかなり詳しく書かれており、特に初心者広報さんは必見の内容です。

井上千絵著「ひとり広報の教科書」(Amazon:https://amzn.asia/d/bCL8c9

加藤さんは『ひとり広報にとことん寄り添っている、是非読んでもらいたい一冊』とし、特に12種の無料ダウンロードアイテムはとても実用的であること。また、GoogleフォームCanvaなどの無料ソフトを効果的に活用する方法も書かれており、すぐにでも行動に移せる内容が満載で手元に置いておきたい一冊と紹介していました。

本書に書かれている、「広報担当は、企業と社会をつなぐ編集者」という言葉にとても感銘を受けたとご感想いただきました。

◇メディア出身者としての強み

「書き手側の気持ちがわかる」

加藤さんは、IT系の専門誌の記者を経て独立しており、書き手の立場に立てることはもちろん、「企画書やプレスリリースがどうすればより伝わるか」を掴めていることが経験からくる強みだと言います。

しかし、記者を始めた頃の加藤さんは「書くこと」がとても苦手だったそうです。企業の広報担当者やPR会社の担当者が話の要点をまとめ、必要資料を集めてくれ、『書きやすい素材』を提供してくれたことにより記者としてのキャリアを重ねることができ、結果「(そのような)サポート側に周りたい」と思ったことがPR会社を設立するきっかけにもなったと話していました。

「編集ライター経験をどのように広報業務に活かしたら良いかわからない」という質問に対して、「広報担当はメディアの良きパートナー。ライター経験の中で良いアシストを受けてできた仕事を思いだし、そちら(アシスト側)の立場に立って考えられれば、経験は必ず生きてくる」とアドバイスされておりました。

「メディア側のニーズがわかる」

テレビ局出身の井上は「時流やニーズをつかむこと」「この時期にこの話題が欲しいだろう、こんな映像や画像があれば良い」などの視点を持ち合わせており、それがクライアントへの提案につながっている。と話します。

井上自身も経験がある悩みの1つ「メディア出身者だと業界全員知り合い、すぐに連絡してテレビで話題にしてもらえると思われ、期待値が想像以上に高い」メディアに刺さる企画書の書き方を教えて欲しい」などの質問に対しては、「まず、テレビで取り上げてもらえることは、こちら側では(放送内容スケジュールが組まれているため)簡単にコントロールが効かないことをしっかり説明することが大切」とした上で、「メディアの人(ディレクターや記者)に企画書のフィードバックをもらう」「感想は、今後のブラッシュアップに繋がる。返事をくださるメディアの方と繋がって積極的に食らいついて欲しい。」と答えておりました。

◇メディア人脈の広げ方

会食などのリアルな交流会が主であった人脈づくりの方法も、コロナ禍を経て変わってきていると話すお二人。現在は、SNSなどを使って広げ、オンラインで交流しているそうです。短時間でも相手の記者が「どんな情報を求めているのか」「何を提供したらいいのか」を知る機会になっていると教えてくれました。

加藤さんのオススメはLinkedIn

あまり多くの人がやっておらず、大多数が利用するTwitterでのDMと差別化できるためだそうです。

また井上は、Eightで記者にアプローチをする方法のほかに、最近記者さんがスピーカーとしてイベントや対談、セミナーに出られているケースが増えてきているので、そこに出席し、後日感想を送ることをきっかけに関係を作っていくのはどうかと人脈づくりのコツを教えてくれました。

◇各広報分野の特徴とキャリアプランについて

<PR会社>

◎特徴

クライアントのジャンル幅が広く勉強になる。会社ごとの強みもあり領域に特化した経験を積める

・身近にいる会社の先輩をロールモデルにできる

・多業種、サービスを見られる反面、心から共感できたり愛せるサービスでなくてもプロフェッショナルとしてPRを貫けなければならないジレンマがある。

・どこまでの範囲を行うのか。クライアントとの行き違いが生じることもある

◎キャリアプラン

・独立(起業)してサービスを作っていく側になったり、事業会社やスタートアップ企業の広報になる人もいる。一度に複数企業を担当し、多業界に精通できるため、成長スピードも早く、記者やマスコミとの繋がりも多く持てるため、企業側からのヘッドハンティングも多い。

<事業広報>

(今回は、広報が部署として確立している場合、広報担当が複数人いる場合、大企業の中の広報を指します)

◎特徴

広報を外部委託していてそのコントロールが主な仕事であり、場合によってはPR会社と連動して動くことを業務としている場合もある

・社内広報、社外広報、ブランド戦略、IRの発信など広報業務を細分化して担当をつけている企業もある

・大企業の場合は特に周囲の協力を必要とする。取材調整やコンテンツ制作なども風通しが悪いと取り組みづらいため、社内コミュニケーションも重要となる。

◎キャリアプラン

3年程度で別部署(マーケティング部など)へ移動、広報と別の仕事を兼務するケースが多い。キャリアを積んでいく方法として、周辺業界を学ぶことに挑戦してみては。広報とマーケティングというのは、近年垣根がなくなってきており、連動して動いている印象がある。パブリックアフェアーズサステナブルを学んでスキルアップを目指してみてはどうか。

また、同じ組織に所属しているのが答えでもなく、広報職で転職をするのも選択肢。大企業とスタートアップでもキャリアの重ね方は違ってくる。

<スタートアップ企業、ひとり広報>

(今回は、設立間もない企業や会社規模が小さく、広報担当者が企業内にひとりの場合を指します)

◎特徴

経営に近いところで仕事ができる

(社長との関係性が密で、トップダウンでのコミュニケーションが多い)

・スピード感が重視され、業務量も多い

・自分の広報の「型」を作っていける

「ゼロからイチの認知」の取り方が難しい

(取材に招いても記者が来てくれないこともある)

◎キャリアプラン

・ひとりで出来る範囲というのは限られてくる。業務量を軽減できるカードを持つことで次のステップで仕事ができる環境を作り出す。

例えば、「外部委託するとこんなこともできる」「このツールが使えれば、ひとりで出来る幅がここまで広がる」ということを提案して、自らが動くのではなく管理していくことでキャリアを重ねていく。ひとり広報を卒業出来る仕組みづくりをしていくのも1つの手

・事業広報と同様の理由で、転職をするのもキャリアステップになる

◉副業としてフリーランス広報へ挑戦

企業の広報に共通して言えることとして、『会社の状態によって広報で出来る幅が限られてくる』ことが挙げられる。年単位で広報のできることが大きく変わっていくものではない。もし副業が可能ならば、小規模でフリーランス広報をやるのもキャリア作りの1つ。実際「プレスリリースを書く部分だけお手伝いしております」など、一部を請け負う仕事のスタイルも増えてきている。別ジャンル(業界)の広報のお手伝いによっての気づきは沢山ある

◉業界知識を磨く

BtoB企業は特に、広報スキルというより「業界知識を持っているか」を重視するところも多い。業界の知識を深めていくことも新たな可能性を開いていく

<フリーランス広報>

いかなる広報分野においても、キャリアプランとして選択肢の1つとなる。

・PR会社での広報業務にも共通することだが、クライアントから「思っていたことと違う」という反応をされ、業務範囲が曖昧になってしまうことがある。

→『期待値調整』

なぜ自分に依頼してきたのかを把握して、「どこまでの範囲を担うのか」をハッキリさせること。イメージや目標、業務範囲をしっかり定めること「どんなスコープでやるのか」お互いにすり合わせ、合意のもと請け負うことが大切。

・スタートアップ企業のひとり広報も抱える悩みに、「(トップの)意向や方向性が頻繁に変わり、その度に振り回される。」ということがある。

→業務に『優先順位』をつける、『やらないこと』を決める

優先度をABCに分け、常にクライアントと擦り合わせをしていくこと。特に1人だと同時進行が難しいため、「Aが終わったらB、Bが終わったらC」とステップを踏んで業務を進めることを、相手にも理解してもらう必要がある。

報酬相場についても、あまり理解がない(高いと反応されるケースが多い)。同業者の話を聞いたり微調整を繰り返して決めていくパターンが多い。

◉「資格取得」「大学院進学」「MBA」

どの分野の広報をしていても共通して言えるキャリアアップ手段。

特に資格でお勧めなのが、PRプランナー

准PRプランナーの資格までなら未経験でも受験可。基礎を理解することができる。

広報専門の大学院に進学することもキャリアプラン設計の1つ。普段の業務を裏打ちするような知識が学べる。また経営と広報は近い分野にあるため、MBAを取得する人もいる。

海外の方が広報のキャリアアップがすすんでいる印象があるため、海外教材を学ぶことも面白い発見に繋がると思う。

◇広報としての強みの見つけ方

「自分の特徴(得意分野)は何なのか」「どこで差別化するのか」について、同じように悩んだ経験のあるお2人は、共通して『経験×すき(おもしろい)』が強みに繋がっていると話しておりました。

「自分でやってみて、好きと感じたところがきっと得意分野」

加藤さんは、元々在籍していたメディアがIT系であったことがきっかけで、そのキャリアを積んでいく中、ITが面白くなってきたことが今に繋がっているそうです。また経験としてIT企業の経験を話していくうちに、客層も絞れ、自然と業界内で「BtoBのIT企業のPRが得意」とイメージがついていく。外資系の仕事も1社請け負うと、口コミで広まり「海外企業の仕事も英語で対応できる」というイメージがつき、クライアントが増えてきて現状の形になっているそうです。

「好きがきっかけで見つかる強み」

井上は、PRコミュニティ内で広報のお悩みを個別に月30人ほど聞いていく中で、悩みに向き合うこと、広報人材を育成していくこと、変化を見届けていく支援が楽しく、続けていきたいと思ったことが、今に繋がっていると話ておりました。フリーでやるならより一層、全方位での広報活動が困難だからこそ、好きをきっかけに強みを見つけていってほしいと話しておりました。

<編集後記>

お2人の積んできたキャリアから、沢山の質問や悩みに答えてく形で進められた今回の対談は、とても発見が多いものでした。実際にご経験されていること、相談を受けともに悩みながら、クライアントの伴走をしてきたお2人だからこそできる、貴重な対談であったと感じました。

SNSの発展とともに、急スピードで変容しかつ多岐にわたる広報業務の中で「何が効果的なのか」「何が自分に合っているのか」「自分はどんな広報パーソンになりたいのか」悩むことも多いと思います。「好きをきっかけに、それを継続すること」は自分を特徴付ける何かに繋がる、貴重な種なのだと改めて気付きました。また「SNSで憧れの広報さんを見つけてみては」という話も対談の中ではありました。広報同士の横の繋がりは、もちろん大きな助けにもなりますし、自身のキャリアをより具体的に描くきっかけになるのではと感じました。

改めて加藤さん、ありがとうございました。

(執筆者:中條文郁)

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