【勉強会開催報告】書籍出版PRについて事例から学ぼう
ハッシン会議は、会員限定の勉強会を開催しました。
「会社で書籍出版をしてみたい」「出版まで具体的に何をすればいいか分からない」「出版が決まったが、どうやってPRしていけば良いかわからない」といったお悩みをお持ちの方に向けて、実際に書籍出版に携わっているお二人に、事例を踏まえてご紹介いただきました。
<ゲスト紹介>
◆青柳 真紗美さん
コーポレートコミュニケーション株式会社 代表。
書籍・雑誌の編集者として経営者や専門家などのインタビュー・記事制作を手がけたのち、2015年に広報PR支援事業を開始、複数の企業にPRパーソンとして参画。
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会社のウェブサイト
◆丸山 悠未さん
株式会社ライフェックス 広報。ハッシン会議メンバー。
旅行会社の企画営業、HRベンチャーの企画職を経て、2021年3月に広報未経験で一人広報として入社。SNSでの発信、セミナー等でのリードの獲得、メディアアプローチ、リブランディングの4つの軸で広報の立ち上げを行う。
現在は、コーポレートサイトリニューアルや書籍PRに取り組み中。2022年9月に会社として書籍出版を控えている。
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株式会社ライフェックスのwebsite
お話しいただいた内容をピックアップして記載します。
◆書籍出版の効果、メリット
・サービスのノウハウや企業のスタンスを言語化することで信頼を獲得
・属人化している知識やノウハウを体系化できる
・課題を持ったターゲットに解決策を伝えられる
・打ち出したいブランディングで長期的に認知獲得ができる
・メディアアプローチやセミナー、オウンドメディアなど2次活用がしやすい
・インナーブランディングにも効果を発揮できる(モチベーション・理念)
・金融機関、投資家への説明材料になる
・既存社員、今後入ってくる採用の候補者、学生向けの会社説明会でも生かせる
◆どんな人が出版できるか
<著者に対する大衆の認識>
• 著者は「先生」「専門家」と呼ぶにふさわしい人
• 大勢の中から選ばれた人
• 経営者としても優秀
• 立派な売上、利益を出してる経営者
• 世の中から認められている人
• その分野の専門家、プロフェッショナル
↓
<出版社の視点>
• ベストセラーの実績があるか
• テレビに出ている人か
• ちゃんとした文章を書ける人か
• 過去に出版した本はあるのか、その本の売れ行きは?
• 今、大きな話題になっている人か
• ファンが数万人以上いるのか
• 本が売れそうなネタを持っているか
企業出版を含む自費出版ではなく、製作費用を100%出版社が負担する商業出版を目指すなら、「売れそうな人」しか(基本は)出版できない。
◆書籍出版を実現するために知っておきたい基礎知識
出版業界にはいくつかの出版ルートがあります
→企業(経営者)本来のニーズを踏まえて最適な手段を選ぶべき!
*印税率は出版社や出版形態によってことなるため、個別に確認してください。
◆出版に至ったきっかけ
(丸山さん)効果が広範囲に渡っている施策だと思ったことで、広報戦略として提案。
◆出版に向けたプロセスの例
1)出版社選定、社内稟議
2)契約、キックオフ、企画案
3)目次シート 提案あり ※ここに時間がかかりました
4)目次シート お戻し
5)取材開始 1章〜2週間 1回2時間×5回
6)原稿→戻し(2週間おき) デザイン・コピー・タイトル決め
7)入稿
8)完成
企画のねらい、タイトルの意図、読者イメージを固めています。
◆出版後のPR手法
書店でのベストセラーは期待しない・させない。
いかに書籍を「現場で」活用するかを考える!
<基本>
・プレスリリース、コーポレートサイト掲載
・代表者プロフィールに書籍名・出版社名を記載
・SNS等での告知
・メディア・ジャーナリストへの献本
<配布・拡散>
・取引先や金融機関、投資家への献本
・従業員への配布
・会社説明会・研修などでの配布
・営業担当者の「おみやげ」
+
<書店やAmazonで売る&書籍の注目度を高める>
・SNSでの告知、拡散依頼
・本をテーマにした書店イベント・講演会
◆書籍の制作プロセスで広報担当者が気をつけること
通常のメディア露出で気を配ること
+
「長く残ってしまうこと」を意識・逆算した情報設計を!
Q&A
◇出版後、プレスリリースを書く場合に気をつけたほうがいいことは?
→書籍は、手にとって開いてもらわないと1文字も読んでもらえない。そのためプレスリリースでは、「はじめに」「おわりに」の部分や、著者のプロフィール、どういう思いで書いたのか(出版の経緯・背景)、どういう問題意識を持っていて、誰にどういう影響を与えたいのかを書くと良い。追加で、Amazonの書籍ページの内容も充実しているかチェックする。あまり充実していない場合にはその内容を補完することをイメージして書くと良い。
◇商業出版では、出会う編集者さんとの相性が大切だと言われているが、相性をどうやってはかればいいのか?
→長期プロジェクトの伴走者なのでとにかくコミュニケーションコストが低い人を。やりとりしていく上では、メールでのスピード感が合うか、キャッチアップの感じが合うかがポイントです。中には、著者の原稿をろくに確認せず構成に回しただけで出版してしまう編集者もいるので、「編集」という仕事に対してプライドを持ってやっているか、企画の内容にきちんと興味を持っているかも大切です。業界に関しての理解度や自分のことを全て理解してくれるかという部分よりは、読みやすい本を作る・読者に届きやすいものを作ることに重きを置いているか、対話しながらプロジェクトを進めていってくれる相手かどうかを見極めるほうが良いです。
◇共著者、インタビュー集の場合、何を前面に出してPRしていけばいいか?
→なぜこの企画が生まれたのか、社会的な背景を前面に出すと良い。読者ターゲットに合わせた内容のプレスリリース、ターゲットが見ているメディアへのアプローチを行いましょう。また、イベントを行うのも効果的。インタビューした人たちに告知を頼むと集客が強化できます。
◇書店へのセミナー提案はどのように持ちかけるとスムーズか?
→編集者さんに、「私自身も告知することを前提に、リアルのイベントと一緒に書籍のプロモーションもできると良いのですが…」と相談してみましょう。ワードなどのテキストデータがPDFのページデザインに流し込まれてきたら、出版後のPRのことも視野に入ってくる段階です。
◇口コミを増やすには?
→著者のSNS上での影響力が関係してきます。まずはそこを起点に告知をして話題を広げていきましょう。影響力がある人に協力してもらうのも手です。オウンドブログ・メディアで、コラボイベントや対談企画の記事をアップして、双方から拡散する方法もあります。企画とSNS拡散、他社への展開を行いましょう。Amazonレビューは、業者を使ってもあまり良い効果は得られません。地道に声かけをしていくことに尽きます。Amazonランキングの上位履歴は、レピュテーションをまとめて講演や資料で使いたい時に活用するといいです。
約10名のメンバーが参加し、予定時間が過ぎてしまうほど、質疑応答まで非常に盛り上がりました!
実際に作成途中だったり、出版後のPRに悩んでいたり、もっと書籍を生かして今後の活動に繋げていきたいメンバーが、リアルな課題やお悩みを共有して、解決のヒントを得る機会となりました。
豊富なご経験から的確なアドバイスをいただいた青柳さん、実践の様子を具体的にシェアいただいた丸山さん、ありがとうございました!
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