今回の勉強会は、テレビ番組ディレクター・映像プロデューサーである上村直人さんをゲストにお招きしました。

勉強会に加えて、ハッシン会議会員限定のピッチ会では発表者それぞれが上村さんよりフィードバックをいただき、メディアの視点を知り、広報活動の次の一手のヒントを得られるような会となりました。

このブログ記事では、勉強会の内容より、

・番組制作の流れ

・事例紹介

・最近注目しているテーマ

についてレポートします。

ゲスト：上村 直人（かみむら なおと）さん

■現在担当中の番組

・フジテレビ「ノンストップ！」 コーナー『今週のハツモノQ』

・BS朝日「バトンタッチ SDGsはじめてます」

・NHK WORLD-JAPAN “Magical Japanese”（海外向け番組）

さまざまな番組を担当されている中で、今回は「ノンストップ！」 コーナーの制作についてお話しを伺いました。

1.番組制作の流れ

フジテレビ「ノンストップ！」 コーナー『今週のハツモノQ』

毎週月曜日の放送に合わせ、週単位で企画会議／リサーチ／取材・撮影／編集のサイクルを回している。

〈一週間のスケジュール〉

【月曜日】

オンエア。放送終了後、チームで打ち合わせ。翌週放送分のネタ出しをする。

☆ネタはプレスリリースから探すことが多い。

↓

【火・水曜日】

リサーチ。打ち合わせで挙がったネタを10個程に絞り、内容を精査していく。

☆情報が正確かどうかがリサーチの大事なポイント。プレスリリース等の発信者側が「5W1H」や「データ数値」を明確にすることで、メディアも取材を進めやすくなる。

↓

【木曜日】

リサーチ結果をチームで共有。放送内容の方向性を固める。

↓

【金〜日曜日】

取材・撮影。

↓

【日曜夕方〜月曜朝】

編集。時には放送の1時間前まで編集に費やすことも！

2.事例紹介

『今週のハツモノQ』で取り上げ、反響の大きかった事例（2022年8月）

ロフト カレーフェア「銀座カレー研究所 2022」

PR TIMESでのプレスリリース

→番組では日本各地から集めたご当地カレーを中心に特集し、放送

■取り上げたきっかけ

視聴者層にマッチ→こだわりのカレーを買うのは女性層

■反響

放送で取り上げたカレーの売上が伸びた

（視聴者が実際に購入した）

？ほかに視聴者の反響を知る方法は？

・番組内のタイミング視聴率

（分刻みの視聴率をを追うことができ、ハツモノQの時だけポイントが上がっている、等知ることができる）

・過去の平均視聴率との比較

（通常は1ケタ台の番組視聴率だが、ある放送回だけ2ケタを超えるような反響があった場合、その企画をスピンオフして新たに番組を作ったりもする）

3.最近注目しているテーマ

①異文化コミュニケーション（多様性）

海外生活をしていたこともあり、常に注目しているテーマ。

「多様性」「ダイバーシティ」という言葉を使わなくなった時が、本当にそれを達成した時ではないかと考えている。

②脳神経学

脳神経学を扱った本「BRAIN DRIVEN（ブレインドリブン）」の著者、青砥 瑞人さんを知ったことがきっかけで興味を持った。

ストレスや不安を理解するために、小学校から「脳」を学ぶ授業があっても面白い。自分の気持ちを理解することは重要で、これからも勉強し続けていきたい分野である。

③性教育

性を「隠すもの」とみなす文化があり、子どもがオープンにきちんと性を学ぶ機会が少ない。

例えば出産・育児や医療現場で起きている問題を広く知ってもらい、考え話す機会を設けたり、テレビ番組の企画としてではなくても、何か出来ることがあればと思っている。

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前半に行われたピッチ会では、ハッシン会議会員5名の方からのプレゼンテーションに対し、上村さんよりそれぞれフィードバックをいただきました。

現在担当されている「ノンストップ！」の取材視点でのフィードバックだけでなく、広くメディアにどう取り上げてもらうかという視野でのアドバイスがあり、広報活動の次の一手が具体的になった方もいたのではないでしょうか。

上村さんは過去にドキュメンタリー映画「うまれる」の構成をされていたり、注目のテーマも社会的なものが多く「社会をよくするきっかけになるような、人に考えさせる発信」を感じられた会でした。

ハッシン会議では、今後もこのようなピッチ会を通じ、会員の方々がメディアとつながる機会を設けていく予定です。

（執筆：横田マリ子）