【勉強会開催報告】ミシュランの広報戦略~攻めと守りと企業文化~
130年間脈々と紡いだ美しい哲学を、これからも持続可能にする秘訣とは
今回は日本ミニュランタイヤ広報部長 三輪唆矢佳さんをゲストにお招きして、勉強会を行いました。
ミシュランと言えばミシュランガイドを連想される方も多いのではないでしょうか。でも実は、130年以上続くフランスのタイヤメーカーです。
なぜタイヤメーカーがグルメガイドを出版することになったのか、それを支える企業の哲学とは何か。「ミシュランの広報戦略:攻めと守りと企業文化」をテーマにお話しいただきました。
◆三輪唆矢佳さんの自己紹介
◆ミシュランってどんな会社?
◆コミュニケーションダイレクターの仕事
①プレスリレーション
対外的な広報活動やリスクマネジメント
②社内広報
ミシュランブランドを社内に浸透させ、社員とともに高めていく
③マーケティングコミュニケーション
効果的なプロモーションを実施する
④企業メッセージの浸透、作成
フランス本社から共有される企業理念や哲学を自国に浸透させる。会社の代表がメディアインタビューを受けるときのメッセージ・シナリオを作成する。リスク、危機管理時の内外コミュニケーション
◆ミシュランガイドの始まり
ミシュランガイドの創刊は、1900年。当時は自動車の黎明期。馬車が走り、車は裕福な家庭のみに許された贅沢でした。まだ道路も整備されておらず、遠出は危険が多い時代でした。
そのような環境下、遠出の楽しみを知ってもらうために、給油所や宿泊所を一冊にまとめたのが、ミシュランガイドの始まりです。
◆広報の責任
◎1900年から脈々と受け継がれた哲学を守る
◎守りだけでは企業ブランドは衰退する。攻めも重要
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新しい取り組みとして、2年前から地球の持続可能性に尽力する飲食店・レストランに〝ミシュラングリーンスター"を付与しています。
◆進化を続けるミシュランガイド
もしミシュランガイドの内容や存在意義に疑問を呈されたら、
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私たちの信念や哲学をきちんと説明し、理解していただく努力を怠らない
◆世界最古のキャラクターのひとつである「ミシュランマン」
1898年:ミシュランマン誕生
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時代のニーズとともに変化
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現在 :ミシュランマンは、喜びと安心感を与えるアイコン
◆広報の重要なミッション
長期的な視点で会社を存続させ、そのブランドを守ること
コーポレートキャラクターがあるなら、それを守り育てていく
◆ミシュランの企業理念
◆3Pによる企業哲学
人(People)、地球(Planet)、利益(Profit)の「三方良し」の理念。どれが欠けてもサステナブルにならない。
◆広報マンとして気を付けていること
1.記者や違う部署の「靴を履く」
周りと協力しないと広報活動は成功しない
2.守りも攻めも攻める
外部環境を正しく理解し、必要な手を打つ
3.自分で話題を作る。「鳥の目、虫の目」両方を持つ
「鳥の目」広く世の中が求めていることをキャッチする
「虫の目」ある1点にフォーカスし小さいところに光をあてる
4.絶対に嘘はつかない。時間厳守(約束を守る)
適当に返事をすると、記者も自分の会社にもマイナスになる
◆広報戦略の考え方
マーケティングのSTPが使える
S:セグメンテーション
T:ターゲティング
P:ポジショニング
◆戦略的考え方の順番
WHY →WHAT →WHO,WHEN (この3つがあっての)HOW
◆忙しい時の広報業務の優先順位
長期的な業務と短期的な業務をバランスよく
タスクを可視化する
忙しくなると短期的なタスクばかり取り組んでしまう。(短期的なタスクは、すぐに結果が出るため満足感が高い)
しかし、長い目で見たら長期的なタスクこそ重要。きちんと目を向けることが必要。
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華やかでぱっとあたりが明るくなるような素敵な雰囲気をお持ちの三輪唆矢佳さん。
お話の中で何度も出てきた「哲学」という言葉。
これを誰よりも三輪さんご自身が一番信じ、強い信念を持って会社を愛し楽しみながら業務を進めてきた結果こそが、ミシュランが130年もの間、脈々と続いていき、今後も持続可能な会社となる秘訣と思われました。
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